DAY2 ウスリスク〜ナホトカ 327.41km

きのう、と言うか今日はとりあえず、ホテルに到着してからベッドにたおれこんだという感じなので、何の準備もしていない。まだマップすら巻いていなかったので、バイクをとめてあるところであたふたとマップをまいた。コマ図を見ていると、今日のルートは、草原だらけでさわやか系なルートに見える。

スタートからしばらくずっとフラットな道がつづく。#1八重ちゃん#3七海さん#4下司さんにはあというまに追い抜かれる。そのつぎにつづくのがどういうわけかゼッケンずっとうしろの#13山田さんだったりする。以後毎日、抜かれるのはこの順番。とんでもない飛ばし屋さんらしい。

セローにこういう長距離ハイパースはかなりしんどそう・・・っていうかいつにもまして調子が変じゃないか? なんか、おかしい、上までエンジンまわらない、ちょっと変な音がする・・・、と なんかいやーな予感がした。KDXも前、こんないやな音したこと、なかったか?タイヤがいきなりロック。そのままざー・・・っとかなりの距離を滑っていった。 その過去、一度の経験から、焼き付いた・・・とすぐに分かりった。 セルボタンを、おしてみる、回らない。ちょっと血の気が引いた。

そのあとを走ってきた、舟木夫妻、東福寺さんがとまってくれて、 とりあえず東福寺さんがのこってバイクを見てくれたが、 やっぱり間違いなく、焼き付き。どういうわけかエンジンオイルがからからになっていた。 私は焼き付きイコールもうこれでリタイヤか・・・ と思ったが、エンジンオイルをいれれば、とりあえず走るよとのこと。 東福寺さんがラリーレイドモンゴルでやっぱりエンジンが焼き付いたとき、 油膜のつよいディーゼルオイルを混ぜていれて、なんとか走りきったという話を教えてくれた。 それじゃあ、とりあえずあとはともかく、このロシアンラリーを走りきることが可能?希望が見えてきた。

しばらくしてオフィシャルの車が到着し、事情を話すと、バイクをまた点検した。 オイル漏れなどはなし。来る前にあちこち塞いできたばかりだし、当然オイルは交換してきたし・・どうしてからになるんだか。 下の方をのぞきこんだスタッフの若生さんが「なんだこれ〜!?」
なんとクランクケースカバーに穴。ちょうどアンダーガードが覆っている、すぐ上のところに。 うわ〜あ・・やっちまった・・・という思い。 これじゃ、オイルいれても、当然もれる。 さてどうしたもんか・・・というところに若生さんが、こんなんならエポキシパテでうめればいいや、と言い、それを取り出した。 ただ、指でねって、穴周辺をガソリンできれいにふいて、ぺたぺたと埋めただけ。 ただこれだけであながふさがってしまうとはエポキシパテの威力は強烈。スバラシイ! 若生さんにも大感謝。これからは私もこれ、もって出歩かねば・・・。

動揺していたのか、穴の空いている状態の現場写真はなし。パテ埋め後。

とりあえず穴はふさいだ。次はエンジンオイルだが、スタッフが戻ってガソリンスタンドを探して買ってきてあげるよとのこと。 そうして、オイルの到着をまっているあいだに、ロシア人の4輪が通りかかった。 片言の英語、身振り手振りでバイクが止まってしまったってことを伝えたが オイルなら、持っているとのこと。 それなら、せっかくスタッフが買いに行ってくれているけれども、早めに入れた方がいいだろうということでオイルをいただくことにした。 バイクのこと、じっと心配そうにみていてくれる。彼らにもまた大感謝です。 セルを回し、エンジンがかかった。これでなんとか走れる! わずかな間にたくさんの人にもらった。 最初にとまってくれた舟木夫妻、東福寺さん、若生さんを始めスタッフの方々、通りすがりのロシア人・・・。 まだ走れるとわかったときは本当に嬉しかった。みんなありがとう!

あまりまわすとがらがら言うセローにおっかなびっくりしながら走って、コマ図のとおり、草原の中を走る。ひろいところ、といったら日本で走ったのは北海道くらいだけど、それ以上だ。
広い。なーんにもない。草原と、自分たちと牛以外。
しばらく、焼き付いたエンジンのことなんか全く忘れて、気持ちの良い、草原の中を走った。 草原の途中でCP1。ここでのんびりランチパックを食べる。昨日と外側のパンは違うが中身は全く同じチーズとサラミ。このあと実は毎日まったく同じランチパックがつづくが(チーズとサラミのサンドイッチ、ミカン、ジュース、ミネラルウォーター)おなかがすいていると何でもおいしのでぱくぱくたいらげてしまう。

のこあと川渡りの多いルートにすすんでいくが、雪解け水で増水しすぎ。一カ所、CP2のあとバイクはわたれないとこにやってきた。ここでうわさにきいていたカマズ登場。私はいまだによくしらないのだが、このカマズ、まさかバイク運搬用にだけずっとここで待機しているわけでもあるまい。普段は何を運ぶ車なのだろう?カマズにのって対岸へ渡る間、バイクも人もおっこちそうで相当コワイ。スタンドもたてず、どこにも固定しない状態で、石がごろごろした川底をわたっていくんだから・・・。おまけにちょっとがたがきてるのか、私のあと#2ヤエガシくんが乗る番になって突然川の中でとまってしまったりする。カマズの上でみんなうおーっとか叫んでいる。大丈夫か〜?とりあえずしばらくして無事エンジンがかかって対岸に渡ることができた。

これがカマズ。この上にバイクをすし詰めにして川渡りします。

このあとも川に阻まれて迂回をしたのだがそのあとどう走ったらいいのかさっぱり。とりあえず前の4輪に必死についていく。だが道が悪くなってくると、当然2輪の方が巡航スピードが速いので前へ行け、と道を譲られてしまう。とりあえず河原が雪解けで浅めの沢下り、みたいな道だったので、前のバイクが跳ね上げた水のあとがあることを確認しながら、下っていった。こういう河原のガレた道、私だったら日本の林道ツーリング中にちょっとあらわれたら結構びびってしまうような道だが、延々ずっとこんな道ばかりなのでいい加減怖いという気持ちも失せてしまった。日本に帰ってもこの度胸が持続するといいのだが。

今日のゴールは早めの9時。きのうからくらべたら相当楽だったきがする。(2時間時差があるので、日本の7時くらいの感覚。)それでももう、10時間以上もはしったのか・・。もうちょっとしんどくてもいいからフラットダートのキョリがもうちょっと短ければいいなあ。

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