DAY3 ナホトカ〜パルチザンスク〜110.86km

今日は中日で楽だと聞く。毎年、中日は比較的楽に設定されているそうだ。距離は110キロとかなり短め。しかし路面的には昨日のフラットばかりよりかはちょっと走りにくい。轍だらけ、なのだが天気もよいせいか、固くしまった轍。そういう路面の深い轍って、はまりたくないなあ、と思って目が向くとやっぱりはまってしまうもので、前後違う轍に入ってしまって、ばたつくことしばしば。下りで深い轍におっこってしまって、そうなるとブレーキをかけることも出来ず、スピードが落ちないまま結構派手にすっころぶ。こらやばい、無傷ではないな・・・と思って、とりあえずぐるっとバイクを見てみるが、外傷はナシ。ほっ。

しかし走り出してみると、昨日はあやしい動きをしながらも(時々時速が2〜3km/hとかになってしまう)動いていたメーターが、完全にお陀仏のようだ。何も表示されない。あ〜あ、こうなるとこのメーター、ただの場所ふさぎのゴミだ。スペアで、ノーマルのアナログメーターもってくりゃよかったか。

轍系をすぎると、川渡りだ。昨日よりも、流れのある川が多い。の、せいかこの日は水没バイク、続出の日になってしまう。まずは、同室ともちゃんのほとんど新車オレンジセロー水没。こけた瞬間「キルスイッチ切れ!」と回りが叫ぶがはたして間に合ったか。岸までバイクをあげて、#7もんどさんがエアクリボックスをあけてみると、どばーと水が流れ出た。「こりゃだめだー。」

人がかぶさってよく見えないけど、水没バイクを助けています。

しかし東福寺さんが、「セローみたいなバイクは水抜き簡単なんだよ」という。ここで水抜き講座がはじまる。 まずはエアクリーナーをはずして、乾燥。(スペアのエアクリを持ち歩いていたらここで交換。) キャブのドレンから水を抜く。プラグをはずして、空でセルを回す。 (シリンダの中に水が入っていると、この段階でぷしゅぷしゅっと水が噴き出してくる)出なくなれば終了。 とりあえずエアクリはずしたままでエンジンかけてみる。かかれば大丈夫だ。

この課程を学習したあとで私も、初水没。別にわざとではないのだが・・・。エアクリボックスをあけてみると、エアクリーナーは片面がしめっているのみ。でもいちおうさっき学んだ課程をおさらいしてみて、水は全然でてこなかった。エンジンも一発でかかった。しかし、他にも水没した人の中で、なかなかエンジンがかからないものも多い。 最悪、バイクをさかさにひっくり返して水抜きする。しかし、水抜き、手慣れている人がなんて多いことか。フツーじゃありえないことなのに・・。今日は驚いたことに連続11回出場のベテランまっちゃんも、水没。先にいっていていいよー、と東福寺さんと水抜きしていたようだが、これもリカバリーに時間がかかっているらしく、なかなか追いついてこない。転けるはずのない人も、今日は連鎖反応か・・・。

でも、だんだんみんな川へのつっこみ方が大胆になってくる。川があるのがあたりまえ!と言う感覚だ。逆にちょっと泥を走ったあとは喜んで川に洗濯に(もちろんバイクの)入っていく。のどかな風景だーとそれを見物していたら、川崎さんが「セローはいいバイクだよねーちょっとのってみよっかな」とうので貸してあげたら、見事なウィリー。

正面からなのでこのフロントの上がり具合、分かるでしょうか?

先ほどの水没で、マップホルダーの中がしめって水滴がついている。初日のガレで壊したあと、ガムテ補修なので水がはいりやすいのは当然だ。ちょとやばいな、と思ったらやっぱり、切れた。巻き取られる側のマップほうがしめってくっついてしまっているようだ。これで今日はメーターもない、マップもない、と言う状態なのであとはコバンザメ走行だ。前を走る人にはなされないよう、必死でついてくしかない。山の尾根づたいルート+くねくね山道。尾根づたいなので回りの風景が見渡せる。もうちょっとツーリング気分で写真をたくさん撮るべきな場所だった。そういえばロシアへ来てからあまり積極的に写真をとっていないのだ。

今日は昨日よりさらに早く、6時には船についた。今日はちょっとのんびりできるなあ・・・と船室に帰ろうとしたところで隣の部屋から声がかかった。隣はロシア人ライダーのアレックスとローシャ。ビールのんでけ!ということらしい。せっかくだからごちそうになろう。交流をはからねば。私の方は片言の英語で、えらくボキャブラリー貧困なのだが、なんとか会話が成り立っている。思うに向こうの人って身振り手振りの表現がとても豊かなので、わかりやすい。

「来年も来るか?」の問いに、「来年じゃたぶんお金がたぶんたまらないな・・・」というと、日本人のエントリーフィーの金額を聞いて、えらく驚いていた。ロシアンライダーのエントリーフィーはたしかにずっと安い。これは物価のせいだろう。オフロードバイクそのものはロシアではとんでもない金持ちのスポーツらしい。
ロシアでバイクをかってうちにおいておけばいいのに、そうすれば君は飛行機できてすぐラリーに参加できるのに、という。まあ、もっともな意見だが、毎年、ゴールデンウィークに10日も会社休んでいては社会生活があやうい。(もうすでに今年こんなに休んだ時点でやばいのだが・・・)
今日はたっぷりビールが飲めた。そう、ビールはロシアより日本のほうが全然おいしいです・・・。

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