2/28 川崎〜

川崎発宮崎行きフェリーは7時半出航。6時の集合時刻5分前くらいにつくと、ふ頭にはバイクらしき陰はまったくない。さすがシーズンオフ。もしかして私一人かも。これから丸一日、フェリーの中はえらく長そうだ。

とりあえず、風呂でも入ろうといってみると、だれもいないし、サウナもあるし、と一時間以上だらだらとつかっていた。

そろそろでようとしたとき、入ってきたおばさんはいきなあい私と目をあわすなり、 あなたバイクのるの!と話しかけてきた。私の娘ものるのよーということだ。 こんなかっこう(ジャージ&モトパン)すぐにそうだと分かったらしい。 だんなさんがすごく厳しい人で娘さんは家をで一人暮らし、400CCのバイクであちこちツーリングしているそうだ。お父さんだけしらないのよーと。 やや自分のすがたがだぶる。

10時消灯とはやいので晩ご飯をたべそこねてしまった。まいっかと、早めに寝ることにした。

2/27 川崎〜宮崎

きのうは10時半に寝たというのに、日が高くなるので爆睡していた。 やはりフェリーの中は暇だ。「すごくいいお天気なのでこういう日こそ走れたらどんなにいいかと思う。」甲板にでてぼーっとしていると昨日のおばさんがきて、こっちいらっしゃいよという。にぎやかな方だったので話がはずむ。 フェリーだとライダー以外のひとともはなせるのがいいところだ。

それからしばらく大部屋でぼーっとしていると、 隣のおじさんが「バイクはどれくらいもっているんか」と話しかけてきた。 えびのが地元でちばにいる息子さん夫婦をたずねてきたのだそうだ。

「見たら、いってみたらいいよ・・・」という場所をいろいろ教えてもらったところで 今日はこれからどこへとまるのかと聞かれた。 そこかにキャンプしようと思うんですが・・・というと、あれこれキャンプ地 のおすすめを考えてくれたあげく、「今日うちにとまってくかー」との話になった。 なんてありがたい!今日は道の駅で野宿すっかと考えていただけにすごく嬉しい申し出。すうすうしくお世話になることにした。

宮崎にフェリー到着後、えびのまでご夫妻の車の跡をついていく。 さすがに大荷物をつんでいるせいか出足がにぶい。 それからフロントブレーキをひきずっているせいでかきいきい音がするが・・。かえったらなんとかしよう。

えびのにつくことはなっくらで星がみててきた。さすがに星空がきれいだ。 Tさんの家はこの地方だからということもあるが広い!私の家の4,5倍はありそうだ。(4畳半のアパートと比較にならないか)おいしい晩ご飯もいただき、本当にお世話になった。

Tさんご夫妻も旅好きであちこち旅されたようなので食事中は北海道の事などで話がはずむ。初日っから人の親切ってありがたい・・。

2/28 えびの〜霧島

朝起きるとどしゃぶり。 この家には霧島の山にむかって広々と窓がとってある。目の前はたんぼだから遮る物はなにもない。「山がみえるようにここを全部まどにしたのよ」と奥さんはほんとうにえびののことが好きなんだなあ都感じられた。旦那さんが引退する前は大阪住まいだったというが、でも田舎が好きで、奥さんの地元えびのに家をたて、戻ってきたそうだ。 娘夫婦息子夫婦は都会暮らしだがよく遊びに来るそう。いなかの内私にとってちょっとうらやましいはなしだ。

Tさん夫妻に別れを告げて、霧島方面へむかう。合羽を新調してきて正解のひどい雨だ。 とりあえず温泉にはいろう、と白鳥温泉上湯にはいる。 はれていたらさぞかし眺めがいいだろう露天風呂だが霧でなにも見えない。 その後の霧島スカイラインもガスで視界が10メートルあるかどうか。荷物満載のセローではくるそうなアップダウン。 この道、ほんとうはすごく気持ちよさそうなのに、ほんとに天気がうらめしい。

とりあえずもう、荷物をおろしてしまおうと、えびの市営露天風呂へいってみるが 「ここは湯治客の施設ですし、9時で電気もとまるからキャンプ村のほうが・・・」とすすめられる。テントを初っぱなからぬらしたくないなあと重い、5人用のバンガローを借りる。 シーズンオフなので一人1250円と格安だ。

大きな荷物を下ろし、身軽になって霧島へ。しかし出発が遅かったせいかついたのが4時過ぎ。観光案内所で目当ての河原の露天風呂、山の城温泉の場所を教えてもらうがこの時間ではおすすめしない、といわれる。ダートの奥にあるから日が暮れてから行くのはたしかにつらそう。 なんせこの霧だし。霧島神宮におまいりするだけにしてえびのへ引き返した。

キャンプ村にも温泉がわいていて宿泊客は自由にはいれるのでそこで我慢することにした。 しかしここが期待以上でいかにも温泉!ってかんじの赤茶色のぬるぬるのお湯でとても気持ちよかった。 晩ご飯はTさんが朝もたせてくれたおにぎりと途中で買ったサツマイモのみそ汁。芋はとうぶんもちそう・・。

3/1 霧島〜鹿児島

なかなか寝付けなかったがようやくねむりについてうとうとしていると、寒くてたまらなくなり目が覚めた。明け方になるにつれどんどん寒くなっていく。雨音も激しくなっていく。 いくらKちゃんのゴアのシュラフカバーをかりてきたとはいえ、中がスリ−シーズンのぼろシュラフだし、バンガロー自体、壁が板きれ一枚の掘っ建て小屋のようなものだ。

まじめに凍えそうにさむく、とりあえず温泉だ!とおもいきって外へでた。 10時くらいには出発しよう、と撤収作業をしたのだが、いっこうに霧の晴れる気配なし、あめもますますひどくなる。とにかく南下することだけ決定して出発。天気の良い方へにげることにした。

今夜のやどの目星だけでもつけておこうかと、鹿児島市で市役所の観光課へ行ってみた帰り(収穫なし)女の子に呼び止められた。 私もこんなふうにキャンプツーリングしてみたいんです、どうしたらいいのか教えてくださいという。はじめてならとりあえず北海道がいいかもねーなどとひとしきりん話をしてわかれた。なんだかうれしい

そのあとふと指宿温泉も行ってみる時間あるかも、と思いたった。 その後はしばらく舗装を一気走り。 指宿に着くととりあえず有名な砂蒸し温泉へむかった。砂蒸し温泉の前は砂浜からけむりがもくもくとあがっているという不思議な光景が見られた。周りのひとたちはあついあついといいながら10〜15分であがってしまう砂蒸し風呂も、冷え切った私のからだには全然たりないくらいの温度で、ひとり30分以上は砂に埋まっていた。ウインタージャケットにたっぷり雨をしみこませてさらにそれを風にさらしながら走ってきたんだからしょうがないだろう。

指宿から戻ってくる途中、今晩はどこにとまるのか、と道の駅であったおじさんにえらく心配されたが、あした屋久島へわたらねば、と思っていたのでとにかく鹿児島を目指しますといって北上した。が、この時点でどこに寝ようかはまったく見当がつかず。鹿児島へついたらすでに7時をまわっていたので駅の案内所などももうとっくにしまっていた。

駅の近くに交番があったのでどこかに安くねとまり出来そうなところはないかときいてみると、お巡りさんはあまりおすすめはしないが・・・といつつも 桜島フェリーターミナルは24時間営業だから、そこで寝袋広げている人がたまにいるよ、と教えてくれた。ほんとに女の子にはお勧めしないよ、と念をおしつつも、荷物満載でこきたない格好のわたしにはそのくらいしかとまるところないだろうなあと考えてくれたのか。ありがたい情報だ。

それなら様子を見てみようと入っていって見ると待合室に女の子がいる。 そばにどでかいリュック。これはなんか同類のにおいがするぞ、と、思わず話しかけた。「もしかして今日ここにとまるんですか?」やっぱりそのとおり。電車と船で旅をしているところで、これから沖縄へ向かおうとしている子だった。それじゃわたしもここに寝ようと決定。荷物をもって待合室に戻ると、今度はリュックを背負った男の子がもう一人。この子はチャリダー。

この3人で暇つぶしに、と意味もなく桜島までクルーズだ!と桜島フェリーで1往復し、かえってきてみると、またそこにひとり来ていた男の子と話が始まった。 ジェベル200に乗るこの子は10日間の屋久島滞在からもどって来たところだと言う。まさかフェリー乗り場で寝泊まりしようと言う学生がこんなにたくさん集まるとは思わなかった。トイレも自販機もあるし、屋根の下だし、おまけにタダ。こんなにいい環境なら、貧乏学生はどんどんあつまるだろう。ジェベルの男の子から屋久島情報をいるいろ聞きつつ、待合室の床にごろごろ寝袋を転がして寝た。


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