DAY3 ナホトカ〜ラゾ〜226.72km

今日の天気はなんか、ようやく、と言った感じの、雨。わたし自信は別に待ち望んでいたわけではないけれど、リピーターの多くはこれでこそ、ロシアンラリー、とか思っていたのではないだろうか?みんなマディがすきだから・・・。

そして主催者によると今日に限って「今日はロシアの名物コースです。キツイでしょうががんばってください。」という。 ロシアの名物・・・そう川渡りだ。今までも相当渡ったけど、今日がその最難所がまっているらしい。この天気にかわわたりじゃさぞかし寒いだろうな・・・。冷え性の私はリュックに厚手のフリース、カッパ、着られそうなモノをすべて詰め込んだ。それと今日はゴアソックスを最初からはいていってみよう。

CPでロシアンライダーがたき火を焚いてランチパックのサンドイッチをあぶって食べてました。寒いのでみんな火に群がります。

走り出すと、確か川渡りばっかりだ。それも、深い。これだけの深さになると、だいたい、何人かがひとまとまりになって、回りの人がちゃんとわたれるかどうか、見届けてから、またはきつそうだったら支えに行こう、というグループ行動になっていく。そんな慎重な体勢だから、今日は昨日より、水没がすくないのではないか?とおもっていたのだが・・・。

すごく幅の広い川に行き当たる。途中までは大丈夫、浅瀬で、底が見える。だが途中で明らかに流れが変わって、そこでどぼんと深くなっているんだろうなあ、と想像がつきそうなところがある。私は「ここまでは平気ー!」とよばれてそこまでは乗っていき、そこからは順番に支え合って押していく人がほとんどだったが、何人かはそこを強行突破しようと試みる。#02八重ちゃんがそのひとりだったが・・・うわーっとかぎゃーとか喚声が上がる。バイクが、見えない?完全に水面下だ。こりゃやばそう・・・。

私もつづいて渡ったが、下司さん、白井さん二人がかりでセロー支えてもらう。セローを、というか私も、だ。そのどぼんと川がおちこむところであまりにも急に流れが速くなるので、自分の体まで浮いてしまい、しばらく足をじたばたさせていた。

引き上げられた650Rには水没対策だかエキパイにドレンがついているのだが、そこをあけてみると見事に噴水状にぴゅーっと水がいきおいよく噴き出す。いつまでもとまらない。ホントにエキパイが水で満タンだったのだろう。珍しい光景だった。(ちゃんと復活しました・・・よかったね)

かなり波乱の前半川渡り100キロがやっと終わると、後半100キロは超フラットダートが延々と続くことになる。その境目のCPで一息ついて、次にむけて体勢をととのえる。まずは、ソックスだ。今日に限って最初から履いてきてしまったゴアソックス・・・。まるで水のはいったバケツの中にわざわざ足をつっこんで歩いているような感覚だ。ケツの下まで水に浸かってきているんだからゴアソックスの上から水が入ってくるのも全然不思議はない。脱いで逆さにしてみると案の定水がたくさん出てきた。「ダメだなあ。これからだよ、乾いたソックスの上からゴアソックスをはいて防寒」とベテラン坪倉さんが履き替えている。あ〜あこのびしょぬれ状態であと100キロもフラットダートを走るのか・・・。 このダート100キロが日本の高速道路以上にハイスピードだから寒いことこの上ないだろう。ともかく上だけでもともってきたものはすべて着込む。

無茶無茶寒いのと、一度焼き付いたセローのエンジンを回しすぎるが怖かったのとで、ややゆっくり目のスピードでおさえていると、どんどんぬかされて行くが、もう今日はがんばるのは終了、のんびりペースにしよう、と決め込む。 今日まで全然途中の村で止まって休憩とかしなかったけど、そろそろ最後だから色々回りをみなくちゃ、と思う。今までも村を通過するたび、ロシア人の子供たちが、手を振ってくれたり、とまってくれ〜っていうようなジェスチャーをしたりしてくれていた。この時期になると毎年日本人ライダーがたくさん通過するのを知っているのだろうか?子供たちに応えて止まってみると大喜びしてくれる。またがっていい?メットかぶってみていい?とバイクにすごく興味があるようだ。やっぱり田舎の子供の方が素朴でかわいいなあ・・・。(ナホトカだと結構油断のならない子供がたくさんいたし)一緒に記念撮影したりおみやげに持ってきたステッカーをあげたりすると大喜びしてくれる。途中でこんな感じで何度もとまって休憩したり、写真撮ったりしていたら通りかかったオフィシャルの車がとまって「大丈夫〜なんかあったの」と心配してくれたので「すいません、ただの休憩です!」とあわてて先を急ぐことにした。ちょっとのんびりしすぎた。

この先の村で先行していた集団が雑貨やさんで買い物をしていた。私も、買い物の仕方がよく分からなかったのでベテラン坪倉さんについてきてもらって買い物をする。基本的にロシアのお店は店員さんにあれをくれ、と頼んでとってもらう仕組みで自分の手にとってモノを見ることが出来ない。英語もあまり通じるわけではないし、結構買い物をするのも大変だが、ウォッカとどうやらビールらしいモノ(フルーツ味のようだが)を買ってみる。日本のみんなにおみやげ買ってくるね!と言った割には選べるほどモノがない、と言うのがロシアのお店の感想だ。

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