4月4日
GALLOP-F ENDURO
@川内村特設コース
クラスD 9位/40人

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東京を出発したときは汗ばむくらいのぽかぽか陽気だったにもかかわらず、福島へ向かうにつれて、4月だというのにとんでもない寒さとなってきた。前泊で夜は外でビールでも・・・と思っていたのに、あまりの寒さにトランポの中に炊事道具すべて持ち込み、トランポ宴会となる。

寒いですんだらいいのだが、天気予報は雪。スタートラインに並ぶ頃からちらほらと雪が落ちてきて、この寒さではこれからどんどんひどくなっていきそうな雰囲気だった。180台ものエントリーでかなりきゅうきゅうなスタート地点から、一列ごとにスタート。クラスDは最後尾からのスタートなので、最前列からは結構経ってからのスタートだ。

初めのうちは土は適度にしめっていて、ほこりもたたず、かなりグリップの良い路面。といえども、きの根っ子がぼこぼこ飛び出るウッズ走行なんかは久々で、うへー、こんなに疲れるんか体力もたないな、やっぱ山系レースは、そういうところを走り慣れないいけないなあと思いながら走っていた。クラスD=デビューだけあって、しょっぱなからあちこちで渋滞している。一周目にしてトップにラップされたんじゃ?というペースだ。

一周目はところどころの渋滞はあったが、とくに難所もなく、これじゃあトップ連中にはものたりないくらいのコースだろうなあという、楽しく走れるほんとファンライドのコースらしい設定だった、が2週目以降はなんだか様子が変わってきた。あきらかにさっきなんとも無かった坂が簡単に上れない。牧場系だけあって、ほとんどのコーナーや登りがキャンバー。ふつうに登ろうとしても、どんどんずるずる路肩の方へ・・・一周目はかんじなかったのに、ほんとにキャンバーだらけで走りづらいことこの上なしと言う感じ。雪を含んだ土はどんどん重たくなり、アクセルをあけて泥をとばす区間も無いので、スプロケ周りがどろのかたまりと化し回りにくくなって行き、どうしようもないところでエンストしてしまう。ゴーグルは自分からでる湯気ですぐこもってしまうのですぐに外してしまった。給油と休憩で、2周目、3周目ともピットイン。なんて軟弱なんだ・・・。

気合いをいれなおして4周目に出ていく。5周までいけるかなあ?休んで、多少元気になったのでストレートくらいは開けるぞ、とがんばってタイヤから泥をとばす。その後の登り坂で一転けし、途中から行くより、戻ってのぼろーっと坂を下ってキックしようとした。が、無い。いやそんなはずは・・・落としてなしくたってのが瞬間的にわかったはずなんだけど、なんだか信じたく無いものを見てしまったためにしばらくその場で呆然とたたずんでいた。

目の前は上り坂。下りなら、押しがけでかかるけど・・・でもそのあと、転けたらどーすんの、と考える。そうだやっぱ探すしかない。前に転けたところから、ここまでの間には絶対落ちているはずだ。もうたくさん人が通ったからうもれてしまって、見付からないかもしれないけど・・・・。何にせよリタイアはいやだ。

コックオフにしてマシンを横倒しにして探しに戻る。途中、不思議に思ったのか止まってくれたライダーに「キックアーム、見ませんでしたあ〜?ときくと見なかったけど・・・といって降りてそのあたりを探してくれた。足を止めてしまって申し訳ない。ゼッケン何番の人か覚えていないけどありがとう。

運悪く、転ける直前までかなりストレートな区間が長かったので、転けたところまで戻るには相当距離がある。足で歩くとほんと、長いこと。ブーツのうらにどっしり泥がひっついてきて重くてしょうがない。途中、何人か友人知人たちともすれちがう。何してるんだ、って思うだろうな。しばらくして、ようやくマーシャルが通りかかった。手を振って呼び止め、キックアーム見ませんでした〜?とまた大声でたずねた。

見なかった?って・・・この路面じゃあ、ちょっと見付からないだろ、とあきらめたようなお答え。ぐっちゃんぐっちゃんの田んぼ路面。そりゃ当然かもしれない。コース外に飛んで行った可能性もある。とりあえず、バイクのところへ戻ろうと再び歩いて帰ると他のマーシャルとも連絡を取り合ってくれたらしく、もう一人来てくれて、なんか代わりになるモノ無いかなあと話し合っている。YZ250のが代わりに使えたりしないかな?いやだめだよ、というような会話の後で「どうしたい?」と聞くかれる。ってその裏に「リタイアする?」っていう意味が含まれてるんでしょう。「そりゃ走って戻りたいです」「そうかあ、うーん、どうだろ、無理ちゃうか・・・?」(無理いうなー、マーシャルが!)しばらくののち押しがけでかけてやるから、とりあえずそれで乗っていって見ようよと言ってくれ、その二人にエンジンをかけて貰った。ともかく転けたくないので、あぶないところは二輪二足でばたばたこぎながら、みっとも無かろうが、 安全第一でともかく戻ろうときめて安全運転する。

こけても死んでもクラッチは離さないぞ!ときめたので上り坂で転けたらアクセルをあおりつつ、クラッチをにぎっての引き起こし。気をを使うだけあって、ひときわ疲れる。そうしていてもエンジン止まるときは止まるもので、そういうときは平らなところまで押していって押しがけ。最初はどうしよう?と青ざめていたものの、いざやってみると、なんだすぐかかるじゃんYZって。ほんの5mもおせば簡単にエンジンがかかるんだから、何もわざわざキックペダル探してコース上を遠足なんてしなくてもよかったじゃん・・・。あれでどれだけ時間食ったことか。ああもったいない、と思ったのは後の話で、チェッカーがふられるまではともかくエンジンを止めないこと、にほんとうに気をつかった。5周目は無理だった。レースが終了し、ピットに帰ってきて仲間の姿を見つけると、がらにもなく、「キック、なくなっちゃったよー」と言いつつ、ぼろぼろ泣いてしまった。なんか、こんな内容じゃ情けなくて。それと一応もどってこれた安心もまざって、か。

雪はますますひどくなり、駐車場からの脱出に、スタックしたり、登れなかったりとかなりの車が苦労していた。 これが最終セクションか?
ギャロップはやっぱり「ゲロップ」になってしまったよね・・・というのがみんなの共通意見。しかし、それでもみんなてのしくってしょうがない、と思っているから不思議。



車窓からの風景は決してスキー帰りではなく・・・。